ANCHOR 「深層」
¥1,800
■ アーティスト:ANCHOR
■ タイトル:深層
■ フォーマット:CD
■ レーベル:self
■ リリース年:2017年
【どんな音楽か聴いてみたい!】
https://soundcloud.com/anchorniigata/depth
1999年新潟にて結成、現在は鷲尾(b/vo)/宮下(g)/坂井(g)/長谷川(ds)にて活動する4ピース激情ハードコアバンド、ANCHOR(アンカー)過去にはデモテープを2作品と6曲入り単独CDEP、大阪のSTUBBORN FATHERとのsplit 7inchをいずれも自主でリリース。今作は単独音源としては2000年にリリースしたCDEP以来、16年振りとなる全8曲を収録した1stアルバムとなる。
抑圧からの解放を祈り叫ぶ様な実直でストレートなベースボーカル、幽玄かつ深遠で独特なアルペジオサウンドとその世界観を増幅させる空間的なギターエフェクトはモノクロームのコントラストをつけ、しなやかで手数の多いドラムが更に感情をバーストさせ一気に激情へなだれ込む様はまっすぐな音塊となって聴き手をカタルシスに包み込む。あくまでも”激情”なサウンドながら繊細かつ深遠で美しく、海外激情ハードコアとは違うモノクロームのエモーショナルさはある種日本的な叙情性を感じさせる。
またアンダーグラウンドシーンという意味ではなかなか根付きにくい「新潟」という土地で止まらず歩み続け、ベース鷲尾が運営するWOODYという老舗ライブハウスを中心に不定期ながらも自主企画「私的見解」を行い、現在までDaitro / Kaospilot / La quiete /MY PRECIOUS / STUBBORN FATHER / weepray / ANODE(R.I.P)/ killie / COHOL / WHAT EVER FILM / heaven in her arms…などの国内外数々猛者と言える激情バンドとツアーサポートなどで共演、2006年には山形サンディニスタで行われたDIYフェス「DO IT 2006」にも参加し、そのストイックで実直な活動は正に新潟に”ANCHORあり”と言われるべき激情孤高のバンドである。(1020distro / 高橋秀明)
新潟を代表する激情ハードコアバンドANCHORの実に16年振りの単独音源、待望の1st full length。 「深層」と名付けられた今作品、まず強烈な個性として耳に刺さるのは、少々語弊はあるが全体を覆うチェンバロを彷彿させるような硬質なギターのアルペジオであろう。
例えばpg.99やFuneral Dinner、Amanda Woodward等に代表されるサウンドスタイルを踏襲しているのは分かるが、それ以上に前述のアルペジオから影響を感じられるのはDead Can DanceやCocteau Twinsなどの初期の4ADからリリースされていたアーティストであり、更に二本のギターアンサンブルという点では、World’s End Girlfriendの名盤"The Lie Lay Land"さえも思い起こさせる。
ミッドテンポな楽曲が主体ではあるが細かいフレージングのプログレッシブかつ重心の低い特徴的なドラミングのせいもあり体感速度は速い。
アートワーク含め陰鬱な閉塞感を感じてしまうけれど、そこは歌詞を読んで頂きたい。普段の生活からかけ離れた聞き慣れない難解な言葉や言い回しで飾られた意味の分からないものなどでは決してなく、普段私達が生活して行くなかで直面する問題、どこか漠然とした曖昧な存在に対する恐怖や不安等が、何気ない会話のように語りかけられる。
形成と崩壊を繰り返し消えていく世界の中で仮面を着け、管理と監視下に置かれた言動と音楽を武器に必死に抵抗しているANCHORの16年前からの物語の続きがここ深層から始まったのである。(阿武真史/weepray.COFFINS.Super Structure)
これほどの深く繊細な旋律を表現する者は彼ら以外に知らない。これが沈黙を破るANCHORの美しくも儚い反抗声明。(Shige/STUBBORN FATHER)
購入特典:缶バッジ
Track-List
01.続き
02.形成と崩壊
03.消えていく
04.仮面
05.監視と管理
06.言動
07.抵抗
08.深層