lang「調べ」※TAPE

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■ アーティスト:lang
■ タイトル:調べ
■ フォーマット:TAPE + DL code ※100本限定
■ レーベル:3LA
■ リリース年:2019年

【どんな音楽か聴いてみたい!】
http://longlegslongarms.bandcamp.com/album/--8

再発された1stアルバムを語る前にlangの2ndアルバム「There is no reply, but sweet wind blew」は個人的にとても良いアルバムだと思ってて、やはり詩的な言葉遣いが他バンドとは一線を画してるし、サウンドは欧州の激情(Daitro / Suis la Lune / SHIZUNEとか)を彷彿とさせていて何度も聴いている。1stの再発ということでどこか聴く前から2ndより落ちるのかな、なんて勝手な決めつけをしていたがそれは杞憂に終わった。もうlangの音楽性はここで大方形成されていて、1曲目の「乗り遅れた電車」からそのヒリヒリするような音と詩の世界に引き込まれていった自分がいた。ライブも何度か見ているがそこから真摯な活動姿勢も伝わるし、この頃から飽和したこの種の音楽性に対する「未来」を創出しそうな得体のしれない力を感じさせる。なので今どんどんバンドが成長し、支持者が増えてるのも理解出来た、私は3LAから再発されたこの1stの存在意義を大いに支持したい。


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langの結成時期は2000年代の終わり頃にまでに遡る。
2009年の初め、「音楽シーンを変える」、そう高らかに宣言したkillieとheaven in her armsによる共同企画『蝶蛾』の第1回目(GUEST:降神)が行われた。イベントを目撃した多くのオーディエンスと同じように刺激を受けた和田(Vo)と太田(Gt)は、その帰り道でバンドを結成、langは誕生した… というちょっとドラマチックなバンドの幕開けではあったが、結成当初は自分たちがやりたいことを楽曲として具現化できず、活動もすぐに停滞気味、ほぼ解散状態となってしまい、とても現在のバンドからは想像もつかない時期を送っていたようだ。 しかし2011年11月に寺井(Ba)、湯田(Dr.当時yel lobe在籍)が加入しバンドの新体制が出来上がると活動が本格化する。心機一転したバンドはライブが同年12月に迫っていたにも関わらず既存曲のほとんどを棄て、2〜3週間で1stアルバムにも収録されている楽曲「柄」「刃」「然り」を一気に書き上げる。半ば強制的に新体制での初ライブに臨むことになったが、激情ハードコア(Screamo)というスタイルに、70年代フォークや現代詩にも通じる日本語歌詞を組み合わせたlangの音楽性の原型が徐々に出来上がってゆく。 2012年12月にバンドは自分達で1stアルバムのレコーディングを開始、翌年2013年4月にはレコーディングが終了するものの、ミックスやマスタリング等作業は難航し、アルバムがリリースされたのは2014年6月、制作開始から実に1年半もの時間がかかってしまう。自主制作の経験がなかったが故であったと後にメンバーは語るが、和田(Vo)の仕事が激務化、太田(Gt)が福島に帰郷することになるなど実際には様々な問題が重なっており思うように動けない時期もあったようだ。しかし、ようやく完成された音源がリリースされても当時は作品に対するリアクションはほとんど起こらなかった。音源はレコード店でもあまり流通されておらず、宣伝等も上手く行き届いていなかった。販売されていたのは主にライブでの物販であった。300枚という少数プレスだったため手の届く範囲でしか販売されなかったという理由もあったが、今読み返してみても当時稀にみる日本語歌詞の完成度、それらを激情ハードコアという型に落とし込んでいた1stアルバムはもっと評価されても良かったのではないかと思う。1stアルバムは当時、ごく限られたリスナーの手に渡るに留まっている。
2014年に2人目のギタリストとして佑磨(現:屠蘇)が加入し、5人編成になるとセットリストは新曲がメインとなっていき、編成が変わったことによりバンドは音を一から作り直す必要があったが「音が出来上がってきてから歌を乗せる」というスタイルのlangでは、何度も音を作り直していくバンドに対して、そこに合わせなくてはならないボーカル和田への負荷が高まっていた。この5人体制のlangは2015年に体調不良で佑磨が脱退するまで1年ほど続いている。佑磨脱退後、バンドはまた元の4人体制に戻り音を作り直すことになるのだが、この時期から楽器隊は以前よりも歌に向き合うようになっていき、弾き語りを始めていた和田のソロ活動も関係し、バンドは音的な激しさだけではなく日本語歌詞での「言葉」をより活かした音楽性へと向かっていく。新曲が出来上がっていく中で2ndアルバムに向けての方向性が定まっていった時期だと言えるだろう。
2016年10月に初のワンマンライブを行い、2017年4月にはFredelicaとスプリット作『alone again』を発表、さらに同年5月にTokyo Jupiter Recordsの招聘によりスペインから来日したViva Belgradoと共演するなど活動の幅が広がっていくと、この共演がきっかけとなり翌年2018年2月にはスペインへ渡航、レコーディングとライブを行うという展開にまで発展していく。DaitroやSed Non Satiata等の激情名盤を世に送り出したスタジオUltramarinos Costa BravaのエンジニアSanti Garcia元で制作され、2018年8月に発表された2ndアルバム『There is no reply, but sweet wind blew』は多方面から評価を獲得、langの名をシーンに知らしめることになった。
時期は前後するが2018年6月から新ギタリストに高澤を迎え、再び5人体制とたったlangは、2ndアルバムリリース以降各方面でライブを重ねており、この時期を境にlangの名前を知ることになった人が爆発的に増えていく。そのことを証明するかのように、2019年5月にはドイツのThe Tidal SleepのJapan Tourに帯同したバンドは、東京公演である吉祥寺WARPを満員のオーディエンスに迎えられ、さらに同年10月22日に2ndアルバムのレコ発ツアーファイナルとしてsassya-とのツーマンライブを行い(GUEST: NITRODAY)こちらも満員御礼となった。そして「2ndアルバム以降」としての活動に区切りをつけたバンドは今、2020年に向けて新たなアクションを起こそうとしている。(2019年11月現在)

(過去インタビュー)
Interview with lang & sassya- (by 3LA, 2019)
http://longlegslongarms.jp/music/user_data/interview_with_lang_sassya.php

Interview with lang (by 3LA, 2018)
http://longlegslongarms.jp/music/user_data/interview_with_lang.php

track-list
1. 乗り遅れた電車
2. 音無し川
3. 言葉を選ぶ
4. 刃
5. 柄
6. 常夜灯
7. 然り
8. 幻香
9. 調べ

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